風呂と朝飯の用意だけで

「帰宅時間遅かったら、どうする?」彼に問う。

「はは、そんな筈ねーさ。残業無しの会社だしさ。寄り道もせず戻るさ。そうすれば早いはずさ。絶対に」と笑う。

二人で夜位は幸せな時間を過ごすんだ。せめて夜くらいは。そんな事を考えた、結婚当初から幾年が経過。

「また深夜?」「どうせよと?残業や接待で大変。残念だけど、さらに忙しく無理」新聞を読みながら、此方を見ず言う。

「む・・・前に、短くすると言ってた約束は?忘れたわけ?」

彼は笑いつつ「そうだっけ?記憶の片隅に埋もれたかな。それより今晩ご飯不要だから宜しく。風呂と朝飯の用意だけで」、足早にリビングを後に会社へ向かう。

態度、言動、まるで私を侍従とでも思ってるんだろうか。遅い事は仕方ありません。が、この冷え切った関係は。

こんな事態から抜け出すため、わざと明るく振る舞ったり、精一杯奉仕で状況改善へ。が、旦那の傲岸不遜な振る舞いは悪化、遂に破局へ。男女の仲はこんな程度ね。